【塾の見解】日本の気候 雨温図②

福島県の高校入試で過去10年間に出題された日本の気候に関する問題を見てみましょう。世界の気候が10年間に8題であるのに対し日本の気候は4題ですから、雨温図の入試問題については気候の種類や対象となる地域が多い世界の気候の方が出題者に好まれるということなのかもしれません。[グラフと表は省略してあります]

平成20年度

『下のア~ウのグラフは、地図中のX~Z市それぞれの月別平均降水量と月別平均気温をあらわしている。X市にあてはまるグラフを、ア~ウの中から一つ選びなさい。また、選んだ理由を書きなさい』

Xは山梨県の甲府市で「内陸の気候」、Yは福井県の敦賀市で「日本海側の気候」、Zは千葉県銚子市で「太平洋側の気候」となっています。記述問題の解答例は

『夏と冬との気温の差が大きく、降水量が少ないという内陸性気候の特色が最もよくあらわれているから』でした。

平成23年度

降水量のみのグラフでの出題でした。

『下のグラフは、地図Ⅰ中の s、t、u の地点の降水量をあらわしている。t の地点の降水量をあらわすグラフをア~ウの中から一つ選びなさい。また、選んだ理由を、「季節風」という語句を用いて書きなさい』

s は鳥取市で「日本海側の気候」、t は岡山市で「瀬戸内の気候」、u は室戸岬(高知県)で「太平洋側の気候」です。この記述問題は理科とリンクする部分もありますのでしっかり理解しておきましょう。解答例は

『夏と冬の季節風が山地にさえぎられ、他の地点に比べて降水量が少ないから』でした。

平成24年度

グラフではなく表を使った問題でした。

『下の表は、A~D県の県庁所在地における1月と7月の平均降水量と平均気温、および年降水量と年平均気温をあらわしている。B県にあてはまるものを、ア~エの中から一つ選びなさい』

Aは新潟県で「日本海側の気候」、Bは長野県で「内陸の気候」、Cは愛知県で「太平洋側の気候」、Dは兵庫県で「瀬戸内の気候」でした。Bの長野県とDの兵庫県について1月の平均気温が0℃を下回っていれば「内陸の気候」、1月の平均気温が5℃前後であれば「瀬戸内の気候」と判断することになります。日本の気候の雨温図の問題の中ではポイントが高い方の問題といえます。

平成28年度

降水量のみのグラフでの出題でした。

『下のア~ウのグラフは、地図の s~u の各地点の月別の降水量をあらわしたものである。u の地点のものはどれか、ア~ウの中から一つ選びなさい』

s は京都府舞鶴市で「日本海側の気候」、t は大阪府大阪市で「瀬戸内の気候」、u は和歌山県潮岬で「太平洋側の気候」となっていて、和歌山県は「太平洋側の気候」の中でも特に降水量が多い地域ですからかなりやさしめの問題です。

 

過去問を見る限りでは「太平洋側の気候」「日本海側の気候」「瀬戸内の気候」「内陸の気候」の4つの気候が問題の中心になっているということ以外は傾向のようなものはないようです。前回掲載の「日本の気候 雨温図①」のポイントを把握していれば十分問題に対応していけるでしょう。