受験生を泣かせた入試問題

ちょっと昔のお話です。

それは元号が平成に変わって初めての県立高校入試の日のことでした。当時の福島女子高校(現橘高校)を受験した生徒が、受験後に教室に直行して来て言うことには

生徒「ねぇ、見てくださいよ、この数学の問題！」

 

見せられた問題は、それ以前の入試問題より明らかに難易度がアップしていました。特に最後の空間図形は、時間内に正解するのはキツそうな感じで……

 

講師「これはちょっと大変だよね」

生徒「笑っちゃいましたよ。だって試験中にあちこちからすすり泣きやため息が聞こえてさぁ、室内の空気がどよ～んて重くなっていくのが分かっちゃうんですよ。数学が終わってからもけっこう引きずってたみたいだしぃ…」

 

『そこは笑うところなのかい？』と思いながら尋ねてみました

 

講師「あなたはどうだったの？」

生徒「しめしめって感じですよ。どうせ皆できないんだったらラッキーじゃないですか？あんなの自分ができるとこだけしっかり当てればいいんですよ。それにさぁ、数学の後に３教科もあるんだから、いちいち気にしてたって何にもなんないでしょ」

 

『う～ん、なかなかにタフな子だねぇ、君は…』