女性作家の作品を読んでおこう

瀬尾まいこは7年で2回

平成18年度福島県立高校入試問題では、国語の物語文の出典が瀬尾まいこ『幸福な食卓』(講談社)でした。じつは当時の塾の受験生の中にこの本を読んだことのある中学生がいて、受験後に次のような感想を話していました。

「出題された本を読んでいたからといって問題が解けるわけじゃないですね。だって問題には載ってなかったけど、(登場人物の)大浦君いいヤツなのにこの後大変なことになるんですよ。読んでるときそっちのことが頭に浮かんじゃいましたよ」

どうやら読書体験が直接プラスには働かなかったと言いたかったようですが、出来具合を尋ねてみたところ物語の雰囲気のようなものをつかんでいたことは役に立ったようです。

瀬尾まいこの『幸福な食卓』は書き出しがいきなり父親の爆弾発言で始まるちょっとヘンな小説ですが、福島県の高校入試問題では瀬尾まいこの小説は平成25年度にも『あと少し、もう少し』(新潮社)が出題されています。この間隔で同じ作家を採用していることと、女性作家の作品が出題されるケースが多いことを考えると、そこに何か選ばれる作品の傾向のようなものを見つけ出したくもなります。少なくとも男子中学生は女性作家の作品を何冊か読んで、女性作家特有の雰囲気のようなものを感じ取っておく必要があるということはいえそうです。

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