【塾の見解】中2歴史「江戸時代の政治」
歴史のテーマ別学習と整序問題
歴史を勉強するときに、その内容を人物や政治、文化、戦争・乱などのテーマごとに分けて進める学習は、歴史の流れや出来事の関連などを理解するのにとても有効です。さらにテーマ別の学習であっても、それぞれの理解が深まることで全体の流れがより分かりやすくなっていきます。また入試では例年、歴史上の出来事を起きた順に並べ替える(整序)問題が出題されるのですが、そのほとんどがテーマごとの出題となっていることからも、ふだんの勉強の中でこのような学習に取り組んでおくことには大きな価値があります。
ここで学習の参考に福島県の高校入試問題で出題された江戸時代の政治をテーマとした整序問題を見てみます。古い順に並べてみて下さい。(解答は最後にあります)
[平成21年度] 正答率18.7%
ア 幕府は参勤交代をゆるめるかわりに、幕府へ米を献上させる上げ米の制を定めた。
イ 幕府は江戸・大阪周辺の大名や旗本の領地を幕府の領地にしようとしたが失敗した。
ウ 大老の井伊直弼は、朝廷の許可を得ないまま、日米修好通商条約を結んだ。
エ 老中の田沼意次は、商人の力を利用して財政を立て直そうとした。
[平成27年度] 正答率24.7%
ア 老中の水野忠邦は、株仲間を解散させ、江戸に流入した人々を農村に帰らせた。
イ 老中の田沼意次は、商工業者による株仲間の営業権を認めて税を納めさせた。
ウ 老中の松平定信は、商品作物の栽培を制限し、ききんに備え米をたくわえさせた。
エ 大阪町奉行所の元役人の大塩平八郎は、人々の苦しい生活をみかねて乱を起こした。
どちらの問題も入試での正答率はあまり高い方ではありませんでした。このレベルの問題をきちんと正解できるかどうかは合否に大きく影響を及ぼす可能性があります。出題の傾向を考えながら目的意識をはっきりさせた学習に取り組んで下さい。
江戸時代の政治については下記の問題でしっかり訓練しておきましょう。
次の人物について下の問題に答えなさい。
① 新井白石
② 田沼意次
③ 徳川家光
④ 徳川綱吉
⑤ 徳川吉宗
⑥ 松平定信
⑦ 水野忠邦
[問1]
上記の人物について江戸時代の政治の表舞台に登場した順に①~⑦の番号で書きなさい。
→ → → → → →
[問2]
次のことがらについて関係のある人物を上記の番号で答えなさい。
ア 上げ米の制( )
イ 江戸・大阪周辺の大名や旗本の領地を幕府の領地にしようとする( )
ウ 株仲間を解散させる( )
エ 株仲間を奨励する( )
オ 寛政の改革( )
カ 享保の改革( )
キ 公事方御定書( )
ク 参勤交代( )
ケ 儒学(朱子学)を奨励する( )
コ 朱子学以外の学問を禁止する( )
サ 正徳の治( )
シ 商品作物の栽培を制限する( )
ス 昌平坂学問所( )
セ 生類憐みの令( )
ソ 天保の改革( )
タ 銅を専売制にする( )
チ 長崎貿易を奨励する( )
ツ 札差からの旗本・御家人の借金を帳消しにする( )
テ 目安箱( )
ト 洋書の輸入を認める( )
【解答】
次の人物について下の問題に答えなさい。
① 新井白石
② 田沼意次
③ 徳川家光
④ 徳川綱吉
⑤ 徳川吉宗
⑥ 松平定信
⑦ 水野忠邦
[問1]
上記の人物について江戸時代の政治の表舞台に登場した順に①~⑦の番号で書きなさい。
③ → ④ → ① → ⑤ → ② → ⑥ → ⑦
[問2]
次のことがらについて関係のある人物を上記の番号で答えなさい。
ア 上げ米の制( ⑤ )
イ 江戸・大阪周辺の大名や旗本の領地を幕府の領地にしようとする( ⑦ )
ウ 株仲間を解散させる( ⑦ )
エ 株仲間を奨励する( ② )
オ 寛政の改革( ⑥ )
カ 享保の改革( ⑤ )
キ 公事方御定書( ⑤ )
ク 参勤交代( ③ )
ケ 儒学(朱子学)を奨励する( ④ )
コ 朱子学以外の学問を禁止する( ⑥ )
サ 正徳の治( ① )
シ 商品作物の栽培を制限する( ⑥ )
ス 昌平坂学問所( ⑥ )
セ 生類憐みの令( ④ )
ソ 天保の改革( ⑦ )
タ 銅を専売制にする( ② )
チ 長崎貿易を奨励する( ② )
ツ 札差からの旗本・御家人の借金を帳消しにする( ⑥ )
テ 目安箱( ⑤ )
ト 洋書の輸入を認める( ⑤ )
【整序問題解答】
[平成21年度] ア→エ→イ→ウ 正答率18.7%
ア 幕府は参勤交代をゆるめるかわりに、幕府へ米を献上させる上げ米の制を定めた。
イ 幕府は江戸・大阪周辺の大名や旗本の領地を幕府の領地にしようとしたが失敗した。
ウ 大老の井伊直弼は、朝廷の許可を得ないまま、日米修好通商条約を結んだ。
エ 老中の田沼意次は、商人の力を利用して財政を立て直そうとした。
[平成27年度] イ→ウ→エ→ア 正答率24.7%
ア 老中の水野忠邦は、株仲間を解散させ、江戸に流入した人々を農村に帰らせた。
イ 老中の田沼意次は、商工業者による株仲間の営業権を認めて税を納めさせた。
ウ 老中の松平定信は、商品作物の栽培を制限し、ききんに備え米をたくわえさせた。
エ 大阪町奉行所の元役人の大塩平八郎は、人々の苦しい生活をみかねて乱を起こした。