続きが読みたくなります

気になる!

模擬試験などで国語の問題を解いた後「小説の続きが読みたくなります」と言う中学生がよくいます。小説を国語の問題にする場合、出題される部分には一種の傾向のようなものがありますから、塾としては問題をきっかけとして本を読むようになるのも悪くはないなと考えてしまいます。本来の読書とはちがう気もするのですが、これも塾のサガというものなのでしょうか。

1996年度の大学入試センター試験(本試験)の小説の問題は吉本ばななの『TUGUMI』からの出題でした。当時の受験生の感想に「続きの展開が気になって困りました」という声がありました。

『TUGUMI』の主人公のつぐみはなかなかに強烈な個性の持ち主で、このときの出題部分は前半からぶっ飛んだ会話で物語が進行して、最後が「おまえを好きになった」で終わっています。

これではたしかに気になりますね。このときの問題自体はそう難しいものではなかったので得点には影響しなかったようですが、入試の緊張状態の中でこの文章ではちょっと調子が狂ったかもしれません。

この問題では登場人物が極端な性格だったためか、『TUGUMI』を事前に読んでいた受験生にはかなり解きやすい問題だったようで、読書好きにはラッキーな出題でした。