【塾の見解】 中3化学 イオン(解答例)
前回の解答例です。
1.原子の構造について説明せよ。
中心の原子核は+の電気を帯びた陽子と、電気を帯びていない中性子からできている。原子核のまわりに-の電気を帯びた電子があり、陽子と電子の数が等しいため原子全体では電気的に中性。
2.電解質とは何か。
水にとかしたときに電流が流れる物質。
3.①非電解質について説明し、②具体例をあげよ。
① 水にとかしても電流が流れない物質。
② エタノール、砂糖 【注】デンプンや硫酸バリウムのように水にとけずに沈殿する物質は非電解質。
4.イオンとは何か。
原子が電気を帯びたもので、+の電気を帯びた陽イオンと、-の電気を帯びた陰イオンがある。
5.電離とは何か。
物質が水にとけて陽イオンと陰イオンに分かれること。
6.次のイオンをイオン式で表せ。①ナトリウムイオン ②マグネシウムイオン ③塩化物イオン ④アンモニウムイオン ⑤水酸化物イオン ⑥硫酸イオン ⑦炭酸イオン ⑧水素イオン ⑨銅イオン ⑩亜鉛イオン ⑪カリウムイオン ⑫硝酸イオン ⑬バリウムイオン ⑭カルシウムイオン
① Na+ ② Mg2+ ③ Cl- ④ NH4+ ⑤ OH- ⑥ SO42- ⑦ CO32-
⑧ H+ ⑨ Cu2+ ⑩ Zn2+ ⑪ K+ ⑫ NO3- ⑬ Ba2+ ⑭ Ca2+
7.次の物質の電離をイオン式で表せ。①塩化ナトリウム ②塩酸 ③塩化銅 ④硫酸 ⑤水酸化ナトリウム ⑥水酸化カリウム
① NaCl → Na+ + Cl- ② HCl → H+ + Cl-
③ CuCl2 → Cu2+ + 2Cl- ④ H2SO4 → 2H+ + SO42-
⑤ NaOH → Na+ + OH- ⑥ KOH → K+ + OH-
8.1価の陽イオン(+のイオン)を5つあげよ。
H+,Na+, NH4+,K+,Ag+
9.2価の陰イオン(2-のイオン)を3つあげよ。
SO42-,CO32-,O2-
【注】O2-は水酸化物イオンがOH-で、水素イオンはH+であることからO2-であると判断できる。
10.亜鉛、アルミニウム、銀、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウムについてイオンになりやすい順に並べよ。
Na>Mg>Al>Zn>Fe>Cu>Ag
11.電解質の水溶液と亜鉛板、鉄板、銅板、マグネシウムリボンで電池を作るとき、6通りの金属の組み合わせについて電圧の大きい順に答えよ。組み合わせは原子の記号を用い(+極,-極)で表せ。
(Cu,Mg)>(Fe,Mg)>(Zn,Mg)>(Cu,Zn)>(Fe,Zn)>(Cu,Fe)
12.身のまわりの電池を3種類に分類し、それぞれについて説明せよ。
① 一次電池 → 使うと電圧が低下してもとにもどらない電池。
② 二次電池(蓄電池) → 外部から逆向きの電流を流すと電圧が回復して繰り返し使える電池。
③ 燃料電池 → 水の電気分解とは逆の化学変化を利用する。
【注】②の操作を充電という。
13.酸とは何か。
水溶液にしたとき電離して水素イオン(H+)を生じる化合物。
14.次の物質の電離をイオン式で表せ。①塩酸 ②硫酸 ③硝酸 ④酢酸
① HCl → H+ + Cl- ② H2SO4 → 2H+ + SO42-
③ HNO3 → H+ + NO3- ④ CH3COOH → H+ + CH3COO-
15.酸の性質を3つあげよ。
① 酸味がある。
② 水溶液は青色のリトマスを赤色にし、BTB溶液の色を黄色にする。
③ Zn,Al,Fe,Mgなどの金属と反応して水素を発生させる。
【注】銅は塩酸とは反応しない。
16.アルカリとは何か。
水溶液にしたとき電離して水酸化物イオン(OH―)を生じる化合物。
17.①水酸化ナトリウム ②水酸化バリウム ③水酸化カリウム ④アンモニア水 の電離をイオン式で表せ。
① NaOH → Na+ + OH- ② Ba(OH)2 → Ba2+ + 2OH-
③ KOH → K+ + OH- ④ NH3 + H2O → NH4+ + OH-
18.アルカリの性質を2つあげよ。
① 皮膚につけるとぬるぬるした感じを与える。
② 水溶液はBTB溶液と赤色のリトマスを青色にし、無色のフェノールフタレイン溶液を赤色にする。
19.pHとは何か。
酸性・アルカリ性の強さを表す数値で、7が中性、それより小さいときは酸性、大きいときがアルカリ性。
20.①中和について説明し、②このときの反応をイオン式で書け。
① 水素イオンと水酸化物イオンが結びついて水を作る反応で、たがいの性質を打ち消し合う。
② H+ + OH- → H2O
【注】中和反応が起こると熱が発生する。
21.①酸性 ②アルカリ性 ③中性 がどのような状態かをイオンで説明せよ。
① 水溶液中にH+がある。
② 水溶液中にOH―がある。
③ 水溶液中にH+もOH―もないと考えられる。
【注】中和反応が起きていても中性とは限らない。
22.塩とは何か。
酸の陰イオンとアルカリの陽イオンとが結びついてできる物質。
酸 + アルカリ → 塩 + 水
23.化学式とイオンの関係を説明せよ。
① 化学式では陽イオンが前で、陰イオンは後。
② 陽イオンのもつ電気量と陰イオンのもつ電気量の絶対値は等しい(プラスマイナスゼロ)。
24.化学反応式とイオンの関係を説明せよ。
それぞれの陽イオンと陰イオンの組み合わせが入れ替わる。
A(+)B(-) + C(+)D(-) → A(+)D(-) + C(+)B(-)
25.化学反応式をかけ。①硝酸+水酸化カリウム ②硫酸+水酸化バリウム ③塩酸+水酸化ナトリウム
① HNO3 + KOH → KNO3 + H2O
② H2SO4 +Ba(OH)2 → BaSO4 + 2H2O
③ HCl + NaOH → NaCl + H2O
26.25の化学反応で特に注意すべき点を2つ答えよ。
① 中和反応なので発熱が伴う → 温度のグラフでは温度がもっとも高いところを中性と考える。
② 塩は水溶液中で電離しているがH+とOH-の数は中和反応により変化する → 電流のグラフでは電流がもっとも小さいところを中性と考える。
【注】25②の反応では白色の沈殿物となる BaSO4 は非電解質で、中性のときには水溶液中にイオンがなくなるため、電流の大きさがゼロとなる。
27.電解質の水溶液について、次のときのもとの水溶液に対するイオンの数の比を答えよ。
①同じ濃度で体積を3倍にする ②同じ体積で濃度を2倍にする ③水を加えて体積を3倍にする。
① 3:1 ② 2:1 ③ 1:1
28.①硫酸 ②塩酸 ③硝酸 ④水酸化ナトリウム ⑤水酸化カルシウム ⑥水酸化バリウム ⑦塩化銅についてそれぞれの化学式を書き、水溶液中の陽イオンの数の陰イオンの数に対する比を答えよ。
① H2SO4 2:1
② HCl 1:1
③ HNO3 1:1
④ NaOH 1:1
⑤ Ca(OH)2 1:2
⑥ Ba(OH)2 1:2
⑦ CuCl2 1:2